印刷には大きく分けて二つの方法があり、それぞれにメリットがあります。
版を作成して印刷する方法です。色数だけ版が必要で、フルカラー印刷の場合にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4版が必要です。「離して(OFF)、付ける(SET)」が語源で、その名が示す通り、版に塗られたインクをブランケットという柔らかいゴムでできたローラーにうつし(OFF)、ブランケットから紙へと転写します(SET)。版とブランケット、それに乾きやすい顔料油性インクによる、「高い品質」と「大量印刷」に適した印刷方法といえます。
版を使わずに印刷する方法です。オンデマンド(on demand)は 「要求に応じて」という意味で、その名の通り必要な時に、必要な数だけ印刷できるデジタル印刷のひとつです。主にレーザープリントによる印刷で、レーザーによる静電気で感光ドラムに絵を描き、そこにトナーを定着させて紙へと転写します。版を作成する必要がないので、「納期短縮」が可能で、「少ロット印刷」も低コストで対応できる印刷方法です。
※ ナンバリングなど同じテンプレート上に個々に異なる原稿を印刷する手法
オフセット印刷 | オンデマンド印刷 | |
---|---|---|
版 | 必要 | 不要 |
着 色 | インク | トナー |
CMYKの他、特色も使用可 | CMYKのみ※1 | |
色再現性 | 高い | 限界がある |
用 紙 | ほとんど全ての用紙に対応 | 一部対応できない用紙がある※2 |
サイズ | ほとんど全てのサイズに対応 | B3程度まで |
印刷後の加工 | ほとんど全ての加工に対応 | 高熱がかかる加工は不可 |
バリアブル印刷 | できない | できる |
料 金 | 色数だけ版の作成費が必要部数が少ないと割高になる | 版の作成費が不要部数が多いと割高になる |
納 期 | 版の作成期間が必要 | 版の作成期間が不要 |
※1 一部の特色トナーに対応できる機器もありますが、色数や対応業者はまだまだ少ない
※2 表面の粗い用紙や極端な薄紙や厚紙など
ご紹介のとおり、オフセット印刷とオンデマンド印刷にはそれぞれにメリットとデメリットがあるので、用途や部数、費用、納期など、総合的に検討の上で使い分ける必要があります。当社ではお客さまのご要望に応じて最適な印刷方法を選択し、無理、無駄のない工程をご提案いたします。