中間生成物について

「このページの写真とイラストのデータだけ送ってください」
納品済みのお客さまからしばしばこのようなご依頼をいただきます。
結論から申し上げますと、データの提供には別途費用が必要です。無料だと思っている方が圧倒的に多いので、この場を借りて説明させてください。
成果物と中間生成物
印刷物を例にとると、お客さまは印刷物の制作を制作会社に依頼し、制作会社は制作した印刷物を納品するというのが一般的な案件の入口と出口になります。この場合、お客さまに納品される印刷物が成果物と呼ばれ、契約上お客さまに納める義務のあるすべてとなります。
一方、成果物の生産工程において生成が必要だった全てのものが中間生成物と呼ばれます。著作権法ではこの中間生成物の著作権は制作会社が持つと定めているのです。
具体的には印刷に必要な編集データや、それに配置される各種素材の全てが中間生成物とみなされます。制作会社が著作権を持つ中間生成物は、特別な契約(編集データの譲渡、または著作権の譲渡)をしていない限り、納品の対象にはなりません。
具体的に中間生成物って何?
では、中間生成物にはどのようなものがあるのでしょう?
印刷物制作の場合
編集データ、画像データ、イラストデータ、不採用になった別案など
Webサイト制作の場合
画像データ、イラストデータ、ワイヤーフレーム、デザインカンプ(不採用になった別案含む)など
細かく言えば、企画書や原稿の生データなども中間生成物となります。
これら制作会社の知識と技術が詰まった全てのデータが知的財産として認められており、著作権により譲渡、公開、改変等の権利が制作会社に帰属しているのです。
中間生成物の譲渡
編集データやデザインカンプの譲渡には高額の譲渡料金が発生するのが一般的です(「編集データの譲渡について」参照)。 しかし当社では、冒頭のような写真やイラストなど一部だけほしいというご要望にも対応いたします。譲渡には別途一部譲渡料金または著作権の一部譲渡料金を頂戴しております。
一部譲渡料金
範囲により、都度お見積もりをさせていただきます。データの仕様はアウトラインデータ、またはJPEGなどビットマップファイルになります。これらに対する一切の加工は認められません。また、使用目的については1次的な利用を許可するものであり、2次利用については都度2次利用料金が必要です(「2次利用について」参照)。
著作権の一部譲渡料金
原則Illusutratorファイル、または合成手法が残ったPhotoshopファイルなどが対象となります。画像の大きさや制作工程の複雑さによりお見積もりをさせていただきます。2次利用ができる他、データの改変を自由に行っていただけます。また、著作権を譲渡した後、当社は著作者人格権を行使いたしません。
※ 一般的にはパスが生きているようなデータはjpgなどビットマップファイルよりも高額になります。
これらは、わたくしども制作会社が所有する知識と技術の無制限な流出を防ぎ、ひいては健全な経営を維持するために必要不可欠な取組みでありますこと、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
あらゆる印刷物の制作を承っております
中間生成物が必要な理由で最も多いのが、他の制作会社に注文する「他の制作物への流用」のためです。
当社はあらゆる印刷物の制作を承っております。総合的なコストダウンを図るためにも、他の印刷物の制作も是非当社にご相談ください。