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RGBとCMYK

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RGBとCMYK

2種類の色表現

好みの色があるかどうかで、製品の購入を検討したことはありませんか?
色は購買意欲に直結する大事な要素のひとつです。デザイナーは流行色や色の心理的効果などを考慮して、製品をデザインしています。

さて、熟考の上に決定された色は、正確に製造現場まで伝えられなければなりません。
「ちょっと明るめの赤」とか「チューリップの赤」という指示では、受け取り手の経験よって様々な赤が連想され、作業者によって色がばらついてしまいます。

そんなことが起きないように、色の再現性は古くから研究されてきました。現代ではデータ上で数値やカラーコード、特色番号などで色を指定し、製品に携わる全ての関係者が色情報を正確に共有できます。

この時に用いられるのが「RGB(アールジービー)」あるいは「CMYK(シーエムワイケー)」です。2種類ともあらゆる色を再現する上で必須となる原色を指します。

身の回りの機器でも使われてる言葉(記号)なので、皆さんも目にしたことがあると思います。
例えばスマートフォンで撮影した写真を、加工アプリで色調補正する際には、RGBの3色の数値を増減して調整します。また、写真データを出力する家庭用プリンターには、最低でもCMYKの4色のインクタンクを取り付ける必要があります。このように、私たちはRGBあるいはCMYKを使った色の調整や再現に日常的に接しているのです。

RGBもCMYKも色を表現する上での、必要最小限の色を示します。
RGBは赤、緑、青。CMYKはシアン、マゼンタ、イエロー、黒。それぞれ、色を混ぜ合わせる(混色する)ことによってその他のあらゆる色を表現することができます。

では、RGBとCMYK、どうして2種類の混色方法があるのでしょう?





色とは

まずは私たちが色を認識するメカニズムを理解しておきましょう。
ここでは眼球や視神経など生物学的な仕組みは割愛します。

私たちが色を認識するには光が必要です。ここでいう光とは可視光線に限ります。
光は色によって異なる波長を持っています。
子供の頃、理科で太陽光を三角柱型プリズムに通す実験をしませんでしたか?プリズムに入射した太陽光が、虹色のグラデーションに分解されて射出される現象(光の分散)を見ることができました。この実験が示すように、無色に見える太陽光(白色光)は、様々な波長(色)が混ざり合って構成されています。





光が物体にぶつかると二つのことが起こります。
ひとつは特定の領域の波長が反射されます。もうひとつは、それ以外の領域の波長が物体に吸収されるのです。反射される波長と吸収される波長は、ぶつかる物体の色によって異なります。
こうして物体に当たって反射した波長の光が目に飛び込んでくることにより、私たちはその波長の色を認識しているのです。

例えばイチゴは赤色を主とする領域の波長を反射し、それ以外の色の波長を吸収しています。反射した波長の光を目にすることにより、私たちはイチゴの赤色を認識するのです。
また、黒い服は太陽光で熱せられやすいですが、これは黒色が太陽光のほとんどの波長を吸収してしまうからです。逆に反射される波長が乏しいので、弱い光=黒く見えるわけです。



光とインク

さて、ここで冒頭の話題に戻りましょう。

RGBまたはCMYKを使った表記によって、正確な色情報の共有が容易になりました。
では、どうして2種類の混色方法が必要なのでしょう?

結論から言うと、RGBもCMYKも混色して色を作るための原料ではあるものの、素材が違うためです。RGBは光、CMYKはインク(染料)です。どちらを使用するかは制作する媒体によって定まります。

主に写真や映像で色を作る際にはRGBを使います。

一方、印刷物など物理的に着色する際にはCMYKを使います。

RGB

RGBは光の三原色であるRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)の3色のを指します。テレビやパソコン、スマートフォンなどの表示部では、RGB各色の発光量を調節することによって混色し、あらゆる色を表示します。

発光量はそれぞれ0~255の数値で表します。0は発光しない、255は最大発光です。
3色とも0だと何も発光していない状態なので、ディスプレイの色=一般的には黒となります。逆に3色とも255だと白になります。
このように色を混ぜるほどに明るさが加算されるRGBの混色を、加法混色といいます。

【 加法混色 】

Webサイトや動画、TVゲームなどディスプレイへの表示を目的とする制作案件では、RGBでデータを制作します。
色はRGBそれぞれのパラメータを増減して作ります。
確定した色を指定する際には、より簡単な表記のカラーコードが用いられます。RGBそれぞれの強さを16進法で並記し、頭に“#”をつけた単純なコード表記です。16進法には0~9とa~fが使用されます。最初の2桁が赤、真ん中の2桁が緑、最後の2桁が青それぞれの発光量を示していて、赤は#ff0000、緑は#00ff00、青は#0000ffと記述します。ちなみに#000000が黒、#ffffffが白です。この単純なコードで1677万7216色を指定することができます。

一般的な企業で使う機会の多いMicrosoft Officeの各アプリケーション(以下、Office系アプリ)は、RGBで色の調整や指定をします。また、カラーコードでの指定もできます。

【 Office系アプリ 色の設定 】

ちなみにデジタルカメラやスマートフォンで撮影された写真、全ての動画はRGBデータです。

CMYK

CMYKは色の三原色であるCyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)に黒を加えた4色のインク(染料)を指します。余談ですが“K”はKuro(黒)の頭文字ではなく、Key plate(キープレート=輪郭などを表す基準となる版)の頭文字です。

印刷物など、インクで着色する媒体はCMYKそれぞれの色の量(網点の大きさ・密度)を調整することにより混色し、あらゆる色を表現しています。

色の量はそれぞれ0~100%の数値で表します。すべてが0の時はインクを使わないという意味なので、紙色に依存します。通常の印刷では白インクは使わないので、白は白い紙に依存するしかありません。
シアン、マゼンタ、イエローの3色をすべて100%にすると黒になります。ただし、その混色では完全な黒を表現することができません。美しい黒を表現するために黒インクが基本色のひとつに加えられています。
色の三原色のように色を足せば足すほど暗さが増す混色を、減法混色といいます。

【 減法混色 】

RGBは光なので、色はディスプレイから発して直接ヒトの目に飛び込んできます。一方、CMYKはインクに代表される染料なので、いったん紙などに塗り付けされ、その反射光がヒトの目に入ってきます。
見方を変えると、色の三原色は特定の波長以外の色を吸収することで色を表現しているといえます。シアンは主にレッドの光を、マゼンタは主にグリーンの光を、イエローは主にブルーの光をそれぞれ吸収します。だから3色を混ぜるとRGBすべての波長が吸収されることになり、つまりは黒になるのです。

印刷物の制作案件では、CMYKでデータを制作する必要があります。
写真はRGBデータなので印刷物に使用するためには、事前にCMYKデータに変換する必要があります。RGBからCMYKにカラーモードを変換すると、写真の色が少し変わってしまいます(次項参照)。その為、写真の色補正や加工はCMYKに変換した後に行うと効率的です。

Microsoft Officeの色

Office系アプリのデータはRGBデータですので、プリンターで出力すると色が微妙に変わります。これは出力される際にRGBデータがCMYKに変換されるために起こります。
実はRGBとCMYKとでは再現できる色の領域が違います。CMYKの方が、色の領域が狭いため、RGBでは出せてもCMYKでは出せない色があるのです。

ちなみにOffice系アプリでCMYKデータを作ることはできません。
だからと言って「出力してみないとOffice系アプリは色の確認ができない」とあきらめていたアナタ!
実はどんな色で出力されるかをあらかじめ画面で確認する方法があります

※ ご使用のPCにAdobe Acrobatがインストールされている必要があります。

【 Office系アプリでCMYKイメージを確認する 】

※ 写真はWordの場合です。

  1. 「印刷」タブの「プリンター」で「Adobe PDF」を選択し、「プリンターのプロパティ」をクリック。
  2. 「Adobe PDF設定」で「PDF/A-1b:2005(CMYK)」を選択し、OKボタンをクリック
  3. 「印刷」ボタンをクリックするとCMYKに変換されたPDFが作成されます

それでは上記方法でできたCMYKデータをRGBデータと比較してみましょう。
まずは様々な色を指定したテキストの比較です。

明らかに色が変わりました。色指定(標準パレット)から選択した色ですら、CMYKでは再現できません。全体的にくすんだ色になりますね。
次は写真で比較してみましょう。

全体の発色が抑えられている印象です。できれば左のように色鮮やかな感じを表現したいところですが、色領域の違いにより、CMYKでは完全に同じ色にはできません。残念ながらOffice系アプリではCMYKで調節することすらできません。

Webサイト用はRGB、印刷物用はCMYK

制作物に応じてRGBとCMYKという2種類のデータを作り分ける必要があることを、ご理解いただけたでしょうか。Webサイト制作はRGBデータ、印刷物制作はCMYKデータとなり、写真は媒体に応じてカラーモードの変更が必要になります。

CMYKでデータを作るにはAdobe IllustratorやAdobe Photoshopなどのクリエイティブ系のソフトを導入する必要があります。ソフト導入のコストやそれを扱うスキルを身につける時間を考えれば、必要な時にだけ制作会社に依頼する方がスピーディーで何より経済的です。

当社では、写真やロゴマークなどの素材データを制作物に応じたカラーモードに調整、加工し、最適な編集データを制作いたします。また、原稿作成やイラスト作成のスペシャリストも揃っていますので、制作過程で生じるあらゆるご相談にお応えすることができます。

印刷物やホームページ制作の際には、ぜひ、あいわーくすのご利用をご検討ください!

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