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トリセツづくりの考え方

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トリセツづくりの考え方

外注と内製

自社製品のことは自社の技術者が一番よく知っているのだから、取扱説明書は社内スタッフでつくりたい。
これは当然の考え方だと思います。
製品知識があり、編集するパソコンも出力するプリンターもある。あとは担当者を決めて、編集の作業時間を確保すれば、取扱説明書は社内で作ることができます。内製した方が単純に支出を抑えることができるので、企業としては検討の価値がある施策といえます。

一方、取扱説明書の制作を制作会社に外注する企業は、どのような考え方なのでしょう?

大前提としてコストはかかります。版下データ制作費と印刷費用は必ず発生するので、その予算を確保する必要があります。
メーカーが製品知識を持っているように、制作会社は取扱説明書の制作に必要な文章力、イラスト描画力、そして編集スキルの他、様々な事態に対応できるノウハウを持っています。トリセツ制作のプロ集団と言えます。印刷に関しても、プロに相応しい知識と設備を有しており、プリンターでは実現できない再現力と製本などの加工力を持っています。
つまり、高品質なトリセツを、自社スタッフの労働力を用いることなく実現することが外注の利点であり、その対価として取扱説明書にコストをかける事が許される企業が外注を選択しているのです。

「コストをかける事が許される」とあえて書きました。逆説的に言えば「コストをかける事が許されない」企業は取扱説明書を内製していると言えるでしょう。
そういった企業では取扱説明書の作り方について独自のルールが確立しているかもしれません。特にルールはなく、歴代の担当者が改善をし続けている場合もあるでしょう。あるいはもう一歩進めて、社内にトリセツ制作のプロ集団を育てるという考えもあります。
取扱説明書のつくり方に全国共通のフォーマットがあるわけではありませんが、制作会社にはそれぞれのノウハウが育んだトリセツ制作のコツがあります。それらはきっと取扱説明書を内製されているご担当者様さまの参考になるのではないでしょうか?



取扱説明書のつくり方

弊社では様々な製品の取扱説明書を制作してまいりましたが、つくり方に大きな違いはありません。

まずは取材と技術資料の読み込みにより、製品知識を身につける事から始めます。メーカーの内製である場合、この過程は不要ですね。しかし、資料類はあるだけ手元に用意しておいた方が良いでしょう。思い込みの是正や数値の確認などに使う必須の素材になります。

以降の制作の流れはこのようになります。





社内制作の場合は作業の属人化を防ぐためにも、制作はグループで行い複数のスタッフで役割分担すると良いでしょう。

企画・構成

企画と構成は複数人でアイディアを出しあえるようにしましょう。構成にはある程度の定石があるので、珍しいだけの奇抜な構成は避けた方が良いでしょう(無料資料で詳しく解説)。

アイディアの模索や、構成の定石を知るためにも、他社の取扱説明書を読み込んで、「なぜ、こう表現しているのか?」を分析してみてください。実に様々な工夫を見出すことができます。

また、取扱説明書のデジタル化や、SaaSなどの利用も最初の段階で検討すると良いでしょう。

※ Software as a Serviceの略。インターネット経由で利用できるアプリケーションサービスで、取扱説明書が制作できるサイトもある。

原稿作成

いきなり文章を考えながら編集を始めるのではなく、何をどのように説明するのかをあらかじめ文字原稿で整理することをお勧めします。
そうすることで、必要になるイラストのイメージもグループで共有化することができます。

文章は端的でわかりやすい表現を意識して書きましょう。文芸書のような凝った表現は、誤解や別の解釈を生むことがあります。誤解しようのない短い文章がベストです(無料資料で詳しく解説)。

イラスト作成

メーカーは比較的自由に製品撮影ができるので「図説には写真を使ったほうが簡単」だし、「ユーザーにとってもリアルでわかりやすい」と考えがちです。しかし、ユーザーにとって最も理解しやすいのは白黒の線画です。CADの線画を活用すると良いでしょう。
手描きイラストをスキャニングする手段もあります。その際には、ご利用のスキャナーの最高解像度でスキャンするようにしましょう。

編集

構成が決まり、原稿とイラストが揃えば、いよいよ編集作業です。

Adobe系のグラフィック編集ソフトがパソコンに入っていれば、それを使用して編集することをお勧めします。難しそうなソフトに思われがちですが、ネットには便利な使い方に関する記事がたくさんアップされており、操作そのものはすぐに慣れていただけます。

そういったソフトがなければ、Microsoft Wordの使用をお勧めします。紙面を制御する事を考えれば、他のOffice系ソフトではとてもマネできない機能が揃っています。余白や配置などを思い通りに調整するには、一定レベル以上の知識が必要ですが、こちらもネット上に情報がたくさんあるので、是非参考にしてください。

Wordを使ったマニュアル内製についてはこちらの記事もご確認ください。

校正

できるだけ複数人でチェックすることをお勧めします。
操作説明の妥当性の他、誤字・脱字、番号付き段落の数字飛ばし、ノンブルの位置や大きさなど、チェックすべき項目を事前に話し合っておくと、間違いに気づきやすくなります。

印刷

可能であれば、印刷だけでも外注に出すことをお勧めいたします。
社内プリンターで出力すると節約感が勝ち、ブランド力を下げることもありえます。

社内プリンターを使用する場合は、使用できる紙をプリンターメーカーに相談の上、様々な紙で試作して見栄えを検討してみてください。

以上、取扱説明書のつくり方についてその流れとコツを説明させていただきました。貴社の内製作業を改善するヒントにつながれば幸いです。

資料を無料でダウンロードいただけます!

さて、弊社はこの度、取扱説明書を内製する際にお役立ていただける資料を制作いたしました。これらは本サイトから無料でダウンロードしていただけます。
是非、貴社のトリセツづくりにお役立ていただきたいと思います。

お問い合わせを減らすトリセツづくり

お問い合わせが多いのは、取扱説明書がユーザーに理解されていない、あるいはそもそも読まれていない証。そんな観点を軸にして、トリセツづくりのコツをまとめています。

<文章編>
ユーザーを悩ませない、やさしい日本語文章についてまとめています。
<構造編>
ユーザーにとって使いやすい取扱説明書の定石をまとめています。

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